山梨県甲府市塩部の人工透析施設

TEL 055-252-3811

平成30年9月、新たに手術室を開設しました!

 必要十分な血液浄化療法を安心して効率よく受けていただくためには、体に負担とならない範囲で良好な血流を備えた内シャントの維持管理が必須となりますが、本来生体には存在しない内シャントは一定の割合で血管の狭窄、血流低下、時に閉塞をきたし生命維持に必要な血液浄化療法ができなくなってしまうことがあります。このような事態を回避するために内シャント機能の維持管理に欠かせないのがPTA(内シャント血管拡張術)、内シャント造設術です。この度これらの手術を中心に泌尿器科小手術、泌尿器科内視鏡手術にも対応可能な手術室を新設しました。

 清潔な術野を保つための空調、殺菌水手洗装置、X線透視を可能とする設計、良好な術野の観察に欠かせない無影燈など、開腹手術にも対応可能な設備を完備しています。

 この手術室に、安全な手術に欠かせない生体モニター、適切な体位を設定するための専用手術台、開腹手術や泌尿器科内視鏡手術にも使用できる電気メス、DSA機能付きX線透視装置、超音波診断装置を取り揃えて、平成30年9月より手術を開始しました。

当院のバスキュラーアクセス管理とPTA手技の特徴、成績

 透析バスキュラーアクセスインターベンション治療医学会 VAIVT専門認定医が行う、成績にすぐれた安全性の高いPTAです。現在、PTAが必要とされるほとんどの患者様に対して年間130件程度が行われ、全国の主要な施設と全く遜色ない治療成績を維持しています(下図のグラフ参照)。現時点で成功率(目的達成率)はほぼ100%で、合併症発生率0.8%未満(Clavien-Dindo分類 GradeⅠのみ)です。PTA手技の特徴としては、あらかじめシャントエコー検査によるバスキュラーアクセスマップを作成し、これを術中血管造影検査の代用とすることによって造影剤を使用することなくリアルタイムエコー観察下に行うことにより、造影剤アレルギーや動脈穿刺に伴う合併症リスクを回避したより安全性の高い施術を行っています。また普段から、シャントスコアリングシート(評価点数表) による理学的所見からのリスクの拾い出しと、リスク分類に従ったエコ―検査計画による体系的バスキュラーアクセス管理を行い、個々の症例に合わせたタイミングでPTAを行うことで閉塞を回避しています(下図参照)。 

手術室

開存率

血栓性閉塞症例