日本透析医学会総会2009
第54回日本透析医学会(パシフィコ横浜)
「高リン血症における指導効果と課題」
透析施設すずきネフロクリニック栄養科1)
○標雅子(しめぎまさこ)1)、荻野晴子1)、依田侑子1)、古屋明美1)、箭本結花1)、長田一元1)、内山俊介1)、鈴木斐庫人1)
【目的】
高リン血症に対する治療の基本は食事療法である。今回高リン血症を改善できない患者と家族に対して個別に係わり指導を強化した。その指導効果と課題について検討した。
【方法】
透析スタッフ(医師・看護師・臨床工学技士)との連携をはかり、高リン血症に対する再指導を行う。管理栄養士が食事記録を基に摂取状況を確認し、具体的な食品選択、食事量、調理方法の工夫などの説明を継続する。また、担当看護師からの情報を基に状況に応じた指導を行い、リン値の変動を観察した。
【結果】
〈症例1〉55歳女性、指導強化前のリン平均値6.7mg/dl→指導強化後5.4 mg/dl〈症例2〉60歳女性、指導強化前のリン平均値7.7 mg/dl→指導強化後7.4 mg/dl〈症例3〉63歳男性、指導強化前のリン平均値8.2mg/dl→指導強化後5.9 mg/dl
【結論】
高リン血症は、患者の生命予後に大きく係わるため指導を積み重ね、長期継続していくことが必要である。